外国人採用、制度迷子になる前に
技人国と特定技能
───セミナー動画で採用再点検
人材不足が深刻化する中、外国人材は、これからの人材確保における重要な選択肢のひとつです。しかし、在留資格や受け入れルールは年々見直されており、技人国の審査厳格化や、技能実習から育成就労・特定技能へとつながる制度の変化など、企業側にも最新情報を追いながら判断する力が求められています。こうした背景を受け、人材プロオフィスでは5月26日に外国人雇用をテーマにしたセミナーを開催しました。
今回はその内容をもとに、外国人材を採用する際にまず押さえておきたい考え方について、プロ子女史とぼしひこが話しているようです。ちょっと聞いてみましょう。

■外国人材は選択肢
ぼしひこ(以下:ぼ) :はいどうも〜! 人手が足らんで悩んどるぼしひこです〜! 今日はなぁ、ネコの手も借りたいそんな時に役立つ新商品『ぼしひこの手』についてご紹介していくわ!
プロ子(以下:プ) :突然のテレビショッピング? 人手不足で悩んでいる本人が商品って、どういうことよ。
ぼ:未来の技術によって、オレのこの逞しい上腕三頭筋から手のひらまでの部分が増殖して自立行動をし始めるっていう…そんなことができるようになったらええなって思ってやな…! プロ子ちゃんには先行投資をお願いしたく!
プ:絵面が完全にホラーじゃない。却下よ。そんなよく分からない技術より、いい手があるわ。
ぼ:え、なになに? まさかプロ子ちゃんの手?
プ:私の手を借りる前に、まずは人材確保の選択肢を広げることね。
ぼ:選択肢?
プ:そう。日本人だけではなかなか必要な人材が見つからないとき、外国人材の活用も大切な選択肢のひとつになるの。
ぼ:外国人材かぁ。気にはなるねんけど、なんかちょこちょこ制度変わってるから、今何が最新なんかようわからんねんな。
プ:そう思っている企業さんも少なくないと思うわ。外国人雇用を敬遠する理由は、「外国人材を受け入れたくない」ではなく、「制度がよくわからない」「知らないうちに違反になったら怖い」という不安から来ていることも多いの。

ぼ:わかるわぁ。技能実習、特定技能、育成就労、技人国……名前だけで頭がパンクして知識の入管迷子になってまうで。
プ:入管迷子って何よ。でも、そう感じるのも無理ないわ。人プロつーしんでも、これまで外国人雇用や法改正の話題を取り上げてきたけれど、制度や運用は変わり続けているのよ。(「外国人雇用」に関するバックナンバー※人プロつーしん52号『外国人材活用の新常識』)
ぼ:せやねんな。ちょっと前まで聞いてた話が、すぐ変わったりするやん。「外国人材?今は別に関係ないな〜」と思ってたら、いざ検討しようって時には「今は制度がどうなってるんかわからん」って、頭こんがらがりそうやんな。
プ:そうね。でも、人材不足が続く中で、外国人材を選択肢から外したままにするのはもったいないわ。まずは、考える順番のポイントを押さえましょう。
ぼ:考える順番?
プ:外国人材を採用するときは、「誰を採るか」の前に、「どんな業務を任せたいのか」を整理することが大切なの。
ぼ:人から探すんちゃうん? 先に業務の整理なん?
プ:もちろん、人が大事なのはわかるけど、そもそも在留資格によって、できる仕事・任せられる仕事が違うってこと忘れてない?
ぼ:せやったわ〜。仕事の分野や業務内容・区分とかで「この業務は特定技能で補って、これは育成就労でもOK!」みたいな感じやったね。せやから、「この人良さそうやなぁ」だけで採用したらあかんってことやな。
プ:その通り。人柄や日本語力だけで判断するのではなく、その在留資格で、実際に任せたい業務ができるのかを確認する必要があるのよ。
ぼ:なるほどな。「ええ人やし、何でもやってくれそう」とか、「めっちゃやる気あるから何でもやってもらおう」ではアカンってことやな。
プ:そう。外国人材の採用では、まず「任せたい業務は何か」。次に「その業務に合う在留資格は何か」。この順番で考えることが重要なの。

■技人国って何?
ぼ:そういや、こないだのセミナーでは技人国の話が中心やったんやろ?
プ:そうね。今回のセミナーでは、「技人国の審査厳格化」が大きなテーマになっていたわ。
ぼ:そもそも技人国ってなんやったっけ? なんか昔の中国の国の名前みたいやな。魏・呉・蜀・技・人・国!
プ:さらっと三国志に混ぜないの。
技人国は、正式には「技術・人文知識・国際業務」という在留資格のことよ。
専門知識や語学力、海外文化への理解などを活かして働くための在留資格ね。この資格がどんな仕事に就けるかに関係しているの。技人国ではシステム開発や設計、貿易事務、通訳、翻訳、海外営業などのいわゆる、専門職やホワイトカラー系の業務で使われることが多いの。
ぼ:ほな、工場のライン作業とか、倉庫の仕分けとかは?
プ:基本的には、技人国には合いにくいわね。だからこそ、「人手不足だから外国人材にやってもらおう」という安易な考え方は危険なの。そこは育成就労や特定技能で対応してもらいましょう。こんな感じで、資格によって従事できる業務も異なるから、確認もせずに人を入れるのは絶対にダメよ。(図1)。
図1【育成就労産業分野・特定産業分野 比較表】
※画像をクリックすると大きく表示されます。
ぼ:技人国って「何でも屋さん」やなかったんか…。そら確かに入れる前に要確認やわ。
プ:今回の技人国の厳格化からもわかるように、外国人材全体について「在留資格と実際の業務内容の合致」が、これまで以上に重要になっているの。派遣形態の場合、派遣元だけじゃなく、派遣先で実際にどんな業務をしているのかも確認される可能性があるわ。だから、「受け入れるだけだから関係ない」とは言いにくくなっているのよ。
ぼ:ほんなら「現場でええようにやっといて。あとは頼むな」ではあかん時代なんやな
プ:そうなの。それに、工場系や製造系では、技人国そのものよりも、特定技能や、今後始まる育成就労の流れをしっかり押さえておくことが重要になると思うわ。
■特定技能への流れ
ぼ:そこやねん。技能実習が変わって、育成就労になって、特定技能につながるって聞いたことあるけど、正直ようわからんねん。
プ:簡単に言うと、技能実習制度は見直され、今後は育成就労制度へ移行していく流れになっているの。そして、一定の技能を持つ人材については、在留資格「特定技能」を活用し、現場で活躍してもらう道があるわ。
ぼ:つまり、工場系で外国人材を考えるなら、特定技能が大事になってくるんやな。これは他の業種でも確認した方がええかもな!
プ:業務内容によってはそうね。
製造業や飲食料品製造、外食、介護、建設、宿泊など、人手不足が深刻な分野では、特定技能が重要な選択肢になるわ。
ぼ:ほな「人が足りないです!特定技能の人ください!」でええん?
プ:そこも慌てたらダメなの。特定技能でも、受け入れられる分野や業務区分は決まっているの。任せたい業務が対象になるか、その業務が制度に合っているかを確認してね。
ぼ:また確認か! 採用するだけでもめっちゃ大変やんか〜やる気なくすわ〜。
プ:でも、その確認を飛ばすと、後からもっと大変になるのよ。知らないまま進めて、気づかないうちに法令違反になっていた、という事態は避けなければいけないわ。
ぼ:それは怖いな! 知らんかったでは済まへんやつや。
プ:そう。だから、外国人材を敬遠するのではなく、正しく知って、必要な確認をしたうえで選択肢に入れることが大切なの。せっかく日本で働こうとしてくれている外国人材をいつでも受け入れられるように準備を整えておくことが大事ね。

■採用後こそ重要
ぼ:でも採用した後も大変なんちゃう?採用して働き始めてもらったらそれでOK!…ではないんやろ?
プ:もちろんよ。特定技能では、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、住居の確保、相談対応、定期面談など、外国人材が日本で安心して働き、生活するための支援が求められるの。
ぼ:「採用したら終わり〜!」と違うんやな。まあ文化がそもそも違うんやし、持ってる100%の力を発揮して働いてもらうには、日本に住み始めてからが本番って考えんとアカンよな!
プ:そうね。働く人にとっては、仕事だけでなく、住まい、言葉、生活ルール、相談できる場所があるかどうかも大きな問題になるものね。
ぼ:そらそうやわな〜。日本人でも新しい職場は不安やのに、外国人材が働くのに言葉も文化も違ったら、誰かの支えがないと戸惑いまくりや。オレも別の星で働いて〜って言われて言葉が通じんかったら仕事覚える前にパニックなるで!
プ:例えが遠すぎるわ。でも、不安が大きいという点ではその通りね。外国人材を「人手」として見るだけではなく、一緒に働く仲間として受け入れる体制が必要なのよ。
ぼ:でも企業側からすると、制度も確認して、支援もして、業務も整理して……って、なかなか大変やな〜。
プ:だからこそ、自社だけで抱え込まないことも大切なのよ。
ぼ:どういうこと?
プ:外国人材を直接雇用するのか、派遣で受け入れるのか、請負や外部パートナーを活用するのか。どの形が適切かは、業務内容や管理体制によって変わるの。

ぼ:なるほどな〜。外国人材を活用するって、採用だけの話やないんやな〜。
プ:そうね。人材確保、在留資格、業務設計、受け入れ体制、支援、定着まで全部つながっているわ。
ぼ:なんか、外国人材って“別枠の採用”やと思ってたけど、むしろ普通の採用以上に「先に仕事を整理しとくこと」が大事なんやな。人が来てから「何してもらおう」では遅いんや。
プ:その通りね。外国人材を活かすには、「どんな人を採るか」だけでなく、「どの業務を任せるか」「その業務に合う在留資格は何か」「どう支えるか」まで、採用前から整理しておく必要があるの
■迷う前に相談を
ぼ:でも制度がころころ変わるから、追いかけんの大変やで。オレの理解速度が追いつかんもん(ドヤ顔)。
プ:上手いこと言ったみたいな顔やめてね。
だからこそ、このセミナーを開催したのよ。アーカイブもあるから、ぜひ確認してみてね。
ぼ:ほんまいつも頼りになるわぁ。今回のセミナーは「外国人雇用について」やったと思うけど、内容はざっくり説明するとどんな感じなん?
プ:今回のセミナーでは、技人国の厳格化の背景や、特定技能を含めた外国人材活用の考え方、受け入れ時に確認すべきポイントが整理されているわ。
ぼ:ほほーん、外国人材を考えたいけど、何から始めたらいいかわからん企業さんにはちょうどよさそうやな! 動画見ても制度とか受け入れとか不安やわ〜、って時は人プロの担当者に相談するわな!
プ:そうね。迷ったら相談してもらうのが安心ね。 制度の名前だけを見ると難しく感じるけど、「任せたい業務から逆算する」と整理しやすくなるわ。
ぼ:まずは業務を決める。次に在留資格を確認する。ほんで受け入れ後の支援も考えるっちゅーことやな! ちょっと外国人雇用についてわかってきた気がするわ。外国人材ってだけで雇うの面倒なんかなとか思ってたけど、ポイントを押さえたらこれからの選択肢になるんやな!
プ:そこまで整理できれば十分よ。 採用難の時代だからこそ、外国人雇用を正しく理解して、現場に合った形で受け入れることが大切なの。選択肢を広げられるように、セミナー動画も、情報を整理するきっかけとして活用してほしいわ。
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