2024年10月地域別最低賃金改定 全国各地で50円〜84円の引上げ

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2024年10月地域別最低賃金改定

 

全国各地で50円〜84円の引上げ

───全国加重平均が51円UP

2024年10月、日本全国で最低賃金が改定されます。岸田首相が掲げた「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円に引き上げる」という目標に向け、今回は多くの県で目安とされた50円を上回る引き上げが行われました。2024年春闘での大幅な賃上げに続き、これは労働者にとって収入が増えるチャンスですが、企業にはさらなるコスト増加という課題が待っています。
今回は、最低賃金の改定について、その背景や影響、企業が取るべき対応策を、プロ子女史とぼしひこが話しています。ちょっと聞いてみましょう。

 

プロ子(以下プ):ぼしひこくん、聞いた? 10月から最低賃金がまた上がるって!

 

ぼしひこ(以下:ぼ):え、ホンマ⁉ じゃあ、俺のバイト代も上がるんかな? 栗きんとん食べ放題やん!

 

プ:いやいや、ぼしひこくんはマスコットキャラでしょ? 時給制のバイトだったの?(笑) でも、企業の皆さんには重大な問題よ。

ぼ:じゃあ、どれくらい上がるん?

プ:今回は全国平均で51円上がるわ。人材不足や人材流出の危機感から目安である50円を上回る引上げを行う所が多かったみたいね。特に徳島県は84円も上がるのよ。

 

▼厚生労働省|令和6年度 地域別最低賃金 答申状況

 

ぼ:大阪府も1,114円やって!ちょっと贅沢してモンブランも買えちゃうな〜♪

プ:ぼしひこくんってホント楽観的よね…。企業にとっては人件費が上がることでいろいろ大変になるのよ。たとえば、材料費の高騰もあって、企業の経費負担が増えるわ。

ぼ:せやなー、ほな企業はどうしたらいいん?

 

プ:生産性を上げて業務効率化を進めることも対策の1つとしてよくあげられるわよね。

ぼ:ほな、AIに全部任せたらええやん! AIが仕事してる間に、オレは栗拾いに行ってくるし…。

プ:いやいやそんな簡単にAI導入なんてできないでしょ?
でもこの機会に従業員のリスキリング*や、作業のムダを省くための業務整理等を行って生産効率アップを目指したいわね。
効率的に働くことでワークライフバランスを向上させることができれば従業員のモチベーションも保てるんじゃないかしら。

 

*人プロつーしん37号|2022年「新語・流行語」大賞にノミネート|話題の「リスキリング」とは??

 

プ:それからパート・アルバイト等の時給で働く従業員と正社員の賃金格差が生じることによる不満が出てくるかもしれないから、社内評価制度の活用やベースアップ等できちんと対策すると離職防止にもつながるんじゃないかと思うわ。

ぼ:物価は上がるわ、人件費も上がるわで経営者としてはホンマ大変やわ〜。

プ:そういえばぼしひこくんたこ焼き屋を経営してたんだったわね。

ぼ:せやで〜! ひらつーの輝くマスコット兼たこ焼き屋やで☆

 

プ:はいはい。じゃあ経営者のぼしひこくんの為に言っておくけど、賃金が上がるということは、年収の壁問題で従業員が労働時間を抑えることもあるから、人手不足が深刻化する可能性もあるのよ。

ぼ:えぇ、そんな問題もあるんか…。でも、何とかせなアカンよな〜!

 

 

プ:企業も従業員も柔軟に対応していかないとね。最低賃金が今後も上がることを見越して、持続的な努力を続けることが重要よ。

 

ぼ:じゃあオレも持続的に努力して…まずは毎日焼き芋を食べる努力を…。

プ:いや、そっちじゃないから!
最後にもう1つ伝えておくわね。10月は最低賃金改定のほかに社会保険の適用範囲が従業員数51人以上に拡大されるの。だから対象の企業は、新たな加入対象者がいないか確認も必要よ。

 

ぼ:おっけ〜! それも重要やな! さすがプロ子ちゃん! 教えてくれてサンキュー!

 

▼社会保険の適用範囲|厚生労働省*「社会保険適用拡大ガイドブック」より

 

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