『最低賃金』改定額が過去最大。来年4月は派遣料金にも変更有
避けられない経費増加に対応するには…?
───最低賃金の引上げについて
2022年10月に最低賃金額が改定され、全国加重平均額が930円→961円になりました。各都道府県で30円~33円と過去最大の引上げ額となった背景として、諸外国からのコロナ対策によるインフレや円安、さらにロシアのウクライナ侵攻等に伴う急激な物価上昇による家計の負担が増していることも影響したようです。また、派遣社員の賃金は2023年4月1日から「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」が変更になるため、待遇決定時に労使協定方式を適用している場合は賃金を見直す必要があります。
ぼしひこ(以下:ぼ) :プロ子ちゃーん!毎年恒例、最低賃金アップの時期がきたでぇ~♪
プロ子(以下:プ):ぼしひこくん、何だか嬉しそうね。
ぼ:だって大阪府の最低賃金がついに1000円超えやで! 嬉しいに決まってるやん♪ オレ、高校生の時のマ〇ドのバイト時給680円やってんで! 最低賃金1000円超えになる時代がくるなんて思わんかったわ~
プ:そうね~今回は過去最高の引上げだった2021年をさらに上回る、全国平均で31円の引上げだったみたいね。私も学生アルバイトの時、時給1000円以上の仕事はかなり少なかったわ~。
ぼ:でもさ、労働者側は嬉しいことやけど、雇用する側は人件費が上がって大変やんなぁ。まだコロナ禍で景気もそこまで回復してないし。業種によって人手不足や雇用の減少もあって、悲喜こもごもちゃうかなぁって…
プ:ぼしひこくんから「悲喜こもごも」って単語を聞くとは…(笑) でも確かに雇用の減少と人手不足のミスマッチは深刻な問題だと思うわ。そもそも「働き方改革」とは人口減少に伴う労働力不足から、「労働力を増やす」+「生産性の向上」を目指すものだから、最低賃金アップは「非正規社員の所得格差の是正」や「収入を増やし国民経済を回すため」に必要だと思うけど、合わせて生産性の向上も必要になるわよね。
ぼ:生産性の向上って言うても、今いる人たちでそんな急にできるかなぁ〜?
プ:そうねぇ…例えば、こないだ話した「ユニット派遣」なんていいかもしれないわね!
ぼ:たしかにー! 1部署の業務が派遣社員だけで安定してできるようになれば、社員は本来の専門的業務に取り組めるしなー。適材適所やな!
プ:ぼしひこくんがユニット派遣のことをそんなに理解していたとは思わなかったわ~(笑)
ぼ:プロ子ちゃんが教えてくれたユニット派遣のメリット全部言えんで☆
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プ:あとは、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方ができるテレワークも課題解決につながるかもしれないわね。
ぼ:たしかに~! オレの最近の勤務スタイルやん~!
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プ:DX化やBPOも生産性向上のためにかなり増えているし…
ぼ:そういえば岸田首相が「リスキリング支援に5年間で1兆円の予算を投じる」って言ってたけど、それもなんか関係ある?
プ:そうそう、良く知ってるじゃない! リスキリング(学び直し)で新しい知識やスキルを社員に習得させることで生産性を上げなさいっていうことね。このリスキリングについてはまた今度お話しましょう!
ぼ:そーしよ! どういうメリットがあるんかとか、気になるわ~♪
プ:最低賃金の話に戻るけど、政府は働き方改革の一環として「できる限り早期に全国加重平均1000円以上になることを目指す」としているから、最低賃金の引き上げは今後も実施されると思うわ。それに、派遣は労使協定方式の賃金決定時に使う「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」が4月に変更されるし、人件費以外にもさまざまな経費の増加が避けられない以上、労働生産性を向上させて業務効率化を図ることが絶対に必要だと思うわ。
厚生労働省HP「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)」より抜粋
ぼ:せやなー。今後も正規・非正規の待遇格差をなくそうという取り組みに企業はしっかり対応していかなアカンし、生産性も向上させなアカンし課題が山積みやぁ~!
プ:そうね、雇用形態による待遇差の解消で、非正規社員の業務へのモチベーション向上や離職防止等にもなるから企業にとってもメリットはあるわよね。私たち人材プロオフィスグループも「働く応援団」として非正規社員の力になるべく、待遇の改善は重要な課題でもあるので取引先の企業様にもご協力いただきたいと思っているわ。
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